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開発行為 他

開発行為 雨水貯留2

前回の雨水貯留1の続きです。

群馬県以外のある県で開発申請で、雨水処理について検討する際、調整池で行うか、浸透施設にするかどちらか選択するわけですが、その県では、浸透施設を設ける場合の基準があり、開発区域面積が1ha未満であることが条件の一つとなっていて、今回は1haを超えているので、調整池での設計を始めることに。

敷地を有効利用するために地下式を選択。
通常は調整池からの放流はオリフィスで排水先の調査で求めた許容放流量以下に調整し、自然流下させます。
が、排水先の水位より調整池の方が低いではないかっ!!!
時期によっては、水路から水が逆流し、調整地が水没することになり、これはマズイ。
造成計画上、池のH.W.Lは変えられないので、ポンプアップするしかないっ!!と。
ただ、調整地からのポンプアップの条件の一つにポンプアップ後はオリフィスを通過させ・・・となっているが、自然流下が無理なので、無理。
このままでは、開発自体できないことになりかねないので、ポンプからの吐出量を、許容放流量以下とし、尚且つ、それに近い数値で直接ポンプアップしたい、という案をもって役所と交渉。
今回は、特別に私の案で良い事になりましたが、ポンプの吐出量が許容放流量以下になる計算根拠を出せ!!
ということに。

埼玉県で調整地からのポンプ放流を2度やったことがあります。
その時は吐出量を決めるのに、実揚程(汲上げるのは何mの高さか)のみ考慮して、それを全揚程として(本来は違います)、ポンプを選定し、役所もそれで通っておりました。
今回は、実揚程+直管、継手、バルブ、逆止弁の圧力損失+放流口の損失等を計算するわけです。
建設会社経由でメーカーに計算を依頼しておりましたが、依頼してから計算書がくるまで1週間以上かかります。また、こちらの意図も十分に伝わらなく、3回程修正依頼をしましたが、それだけで1ヶ月以上。計算に使われている係数も調べましたが、出所がわからず、役所に説明でません。
ということで、一から全部自分で計算することにしました。

実際に計算しようとしても、理屈はわかるが、専門ではないので、計算方法が良く分からん!!。とりあえずネットで検索。
計算過程は数種類ありましたが、その中で3種類の計算をし、2種類は完成させ、全揚程(m)を算出し、ポンプの予想性能曲線で計算で求めた全揚程を合わせると、その内の1つの計算結果が許容放流料以下で、それに近い数値となるではないか!。

ただ、役所に説明するのに計算過程や、使用した係数をインターネットの情報です!!とは言えないので、その時に参考にした本

これを参考に計算書を作りました。ネットの情報も参考にしましたが。
中を見ると、聞いたことがある言葉が幾つもある。
そういえば、大学の水理学や、流体力学の講義でやったかも。
そんなの覚えていません。再勉強です。

というような事で、根拠となる資料を作成し、役所に提出。
OKをもらえましたので、後は申請するだけです。現在、ストップしていますが・・・。

群馬県内で、群馬県基準に適合するように設計している限り、ポンプを使用することは無いと思われます。最近では、使用している所はあるようですが、私自身、前の会社で開発設計をしている時にはポンプを使用した例は12年間で一度もありません。

今回は、自分で全て計算したので、本を買って参考にしたり、エクセルで数値を入れれば計算できるように作成したり、時間は掛かりましたが、非常に勉強になったとおもいます。

まぁ、できれば簡単に終わった方が良いですけどね。